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2016.11.12 Saturday

2016年度 技術セミナー

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    2016-11-12

    山梨知彦氏は語る。「20世紀は、大量生産すなわちマスプロダクションの時代であった。?大量生産に負けない品質と個性を実現しつつも、個々人のニーズに合わせてカスタマイズされ生産されるものというあたりは、漠然としているとはいえ共通の認識となっているのだが、問題はそれをどう実現するかである。」BIMをつかい建築をデザインする。ぼくにはほど遠い世界ではあるが、BIMの有効性と合理性は理解できたように思う。BIMのもつ膨大なデータをつかい行うコンピューターシミュレーションは圧倒的な説得力がある。それを背景に組み上がる建築は非の打ち所がない印象をもつように思う。

    東京木材会館:木材をふんだんに用いた彫りの深い外観が、日本の気候風土に即したワークプレイスを生み出している。高層ビルの外装に木材を使う。そのアイディアを実現させるために、まず法規を深く読み解く。その上で役所と協議し、お互いに納得いく解決策にたどり着いている。外観が印象的なのは当然のことながら、内部のオフィスがすべて外に木でできたテラスを持つことはすばらしい。とても気持ちがよい。またそこから階段が地上へ伸びており、非常の時に使える階段がどこにあるか認識して仕事ができる。この安心感が良いオフィス環境を作ることにつながる。また、7階大ホールは、檜の大梁で屋根を支えた木構造で両サイド ガラス張りのホール。最上部は木造のだということ。もちろん大断面の集成材の集積であるが、それの構成に独特の木材加工を施している。そのことでコストの削減に成功し実現に結びついている。考えてみれば最上階に1番軽い木を使うのは合理的だ。今からできあがるオフィスビルの10分の1でも最上階が木造でできれば都市景観も変わるんじゃないかと氏は言う。

    ホキ美術館:「2次元の図面・スケッチ、模型、BIMのメリットをそれぞれ取り込んで設計している。ホキ美術館の一部をBIMが支えていると言って良いと思う。 また、デザインや構造、風環境について「確信」を持つことができたというメリットは大きいと思う。」まさに、三次元の立体である建築を、二次元の図面で設計するのではなく、初めから三次元で設計する。そのような形態。展示室の張り出している部分は25メートルあり、全体の100メートルの部分の4分の1。先端から25メートルのところにそれぞれ支えがある、やじろべえのような構造体。その中でシームレスな展示室が実現している。この部分は鉄板でできており,コストを削減するため内装も外装もこれにそのまま仕上げとして使っていることがコストを下げたアイディアだと言う。構造体自体にコストの比重が置かれた場合の、調整の仕方の良い例。 建築理念は細かいところまでも徹底している。例えば美術館エントランス正面の壁に、傘を美術館の壁に突き刺すようにしまい込み、鍵=球体の部分を抜き取る仕組みに。この傘置き場がホキ美術館内部を象徴している。壁面をできるだけフラットな平面に仕上げたい思いがつたわってくる。

    「On the water」ゲストハウス:山梨知彦さんの住宅ということで特に興味深く見た。住宅でもその手法は変わらない。「BIMとコンピューターシミュレーションにより、一品生産である建築の品質向上が、住宅レベルにおいても可能になりつつある。」湖の水面から風をひきこむ平面デザインと言うことで螺旋形が選択された。その合理性を裏付けるためのシミュレーション。そして湖の景観を徹底的に解析した窓、開口部のあり方。ガラスやコンクリートなど材の即物的な美しい収まり。全てが洗練されたセンスの上に構成され、ミニマルな住まいが出来上がっている。周りの風景を開口部によってどのように切りとるかと言うこともBIMを使い検討し、完全にコントロールしていることに感心した。 ぬるい事はしたくない。公演中に氏が言っておられた言葉。クライアントのほとんどがディベロパーだと言う。彼らは合理性を常に求めてくるので設計のプレゼンテーションには、シミレーションに裏付けされた、完璧な説得材料が必要になる。妥協のない姿勢は本当にすばらしいと思う。また、それと並行して、オーソドックスなことを、あらためて検証し採用する。ワールドトレードセンターのあの事故を見て、高層ビルに外側に逃げられる通路がないと言うのはとても致命的なことに気づき、そのとき設計しておられたダブルスキンの建築を考え直したと言う。その後、様々な高層建築のプロジェクトで外皮に4周回ったテラスや階段を、内部の人に対しての安全を最も重んじ、クライアントにその必要性を提案した。そのことを真正面から受け入れたデザインが建築にそのまま反映されてることに感銘する。(Y.Mizuno)

     

     

     

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