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2016.02.06 Saturday

2015年度 技術セミナー02

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    2016-02-06
    今回のJIA技術セミナーは、照明家の角舘まさひで さんをむかえ「あかりからのまちづくり」と題したレクチャーであった。氏は、住宅から街、都市の照明計画を手掛け、数々のまちづくりにも参加し「光」が主体となるのではなく、「光」なる概念からまちがどのように変容するか実験中である。
    ふつう照明のデザインというのはどちらかと言うと均一に場を明るくし、必要な照度を確保するイメージがある。そういう意味では今回のレクチャーは、見方が逆転する?とても興味深いものとなった。
    富山県、相倉集落冬のライトアップでは「ライトアップ・・・・?。 ただ演出的なアプローチではない。 建物から漏れる光が人気を増幅することによって防犯的に安心感をもたらす。 また、散策する人が今どこにいて、どこにいけるのかを光のサインとして集落に配置した」とのこと。自宅のガラスのピラミッドをどういう風に照明をつけたらいいかと伺った時に、内部の構成がわかるような箇所に照明をつけると良いのでは?と言う指摘をうけ、外に対しての印象を考えても、特に照度が必要じゃないことを知った。この合掌造りのライトアップに通じる考えだと思った。
    決められている照度ですべて場を照らすと、床や壁、くぼみなどが感知しにくくなり、障害がある方などにとってはむしろ、危険が生じることもあるという。
    横浜のある繁華街の街灯を消し、そこにある一つ一つの店の照明、存在を尊重することによって、ストリート自体の良い雰囲気が復活する。そのことにより人がたくさん来るようになり、お店が繁盛し、次々に新しいお店もオープンしたりして、結果、街の活性化につながった、といういい例。
    角館さんは富山でもいくつかの仕事をされている。八尾もそうで、古くからある街並みを生かすような照明の提案をされていた。もともとある街灯は消して古い町並みの輪郭を浮き彫りになるように、むしろ建物の入り込んでいる場所に照明をおく。それを「ボイド照明」と言う。そうすることで財産価値のある街並み自体が認識できるようになる。「景観的財産」をみなあらたに発見する。照明は、電球色を主に使い、温かみのある印象を残す。
    レクチャーの後、設計をされた富山駅を案内していただいた。角舘 さんの言われる通り、場所ごとにコンセプトが設定され照明計画がなされていた。例えばバスターミナルの大きな庇下は、柱ごとに照明が設置され、土木系にしては繊細な径5センチしかない小さい照明が、高さ4メートルの柱の上部に4カ所取り付けることで柱を照らしていた。照明が灯る夜の時間帯は、周辺のショップの光や、街の明かりが光りだす。むしろ、そちらの方が主役になるようにイメージしていた、という。構築物の存在は夜景にとけ、抜け感のある気持ち良い風景をつくっていた。
    人の存在を感じさせるような照明計画。結局、人の意識、行動、印象など、人のための思考がそのまま照明デザインになっているという印象であった。自分で照明計画を行う者にとって、とても納得できて参考になるレクチャーだったように思う。今後は、一律に空間を明るくする照明計画ではなく、人の気配を意識した、または空間の輪郭を理解した照明デザインを試みたいと思った。 また、LED照明が主力になるのか、昔ながらの裸電球の価値も見直す必要があると感じた。20年間はなくならないであろうと言っておられたので、LEDにはない存在感を人の営みに必要な場所に使っていきたいと思った。特に住宅/住まい、人にとって安らぎや落ち着きを感じる場、に関しては大事なことのように思う。(Y.Mizuno)


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